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北大西洋条約機構(NATO)の日本政府代表部に着任した伊沢修大使=2025年1月22日、ブリュッセル、牛尾梓撮影

 北大西洋条約機構(NATO)との連携を強化するため、日本政府はこのほど、ブリュッセルの在ベルギー日本大使館内に設置していたNATOの日本政府代表部を独立させた。新たに専任の大使として着任した伊沢修大使は22日、「防衛省とNATOの橋渡し役を担っていきたい」と述べた。

 代表部は2018年、ブリュッセルにある在ベルギー日本大使館内に開設。大使は駐ベルギー大使が兼務してきた。

 しかし、22年にロシアによるウクライナへの全面侵攻が始まったことなどから、日本政府は「欧州・大西洋とインド太平洋の安全保障は不可分で、日本とNATOの関係は近年具体的に進展している」として、今月15日に代表部を独立させた。

 NATOは、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国をインド太平洋地域の「パートナー国」と位置づけており、4カ国の中で専任の大使を設けたのは日本が初となる。

 15日に着任した伊沢氏は22日にあった記者団との懇談会で、「NATOのルッテ事務総長と会談し、サイバー分野での協力など日本への期待の高さを感じた」と語った。

 20日に就任した米国のトランプ大統領は、NATO加盟国が目標とする国内総生産(GDP)比2%の国防費支出を5%に引き上げるべきだと主張している。伊沢氏は「欧州各国が新政権とどう向き合っていくのか、状況を見ていきたい」と述べた。

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